JAFPA NEWS(会報)

JAFPA NEWSVol60

平成21年3月14日、長野県飯田市で開催されたシンポジウムj
高山植物フォトコンテスト最優秀賞「カタクリ」海野淑子(東京都府中市)

設立20周年を迎えて

静岡支部長 日比野重彦

静岡支部は、平成8年5月25日に本部が静岡市の静岡県立女性総合センターで通常総会及び静岡支部設立記念シンポジウムを開催したのに併せ、同日同会場で設立総会を開催して設立いたしました。設立当初の支部会員は120名でした。

日本高山植物保護協会は山梨県において平成元年6月4日に設立されましたが、当時は、高山植物の不法採取、盗掘、盗採などの人為的な被害から高山植物を守ろうとするのが主たる目的で、大井川源流南アルプスにおいても希少な高山植物が盗掘等によって減少していくのが大変危惧され、報道機関においてもキタダケソウの盗掘事件などを頻繁に報道しておりました。

このような状況の中で、昭和61年4月1日には「山梨県高山植物の保護に関する条例」が施行されました。この条例は、日本高山植物保護協会の設立にとって大きな契機となるものでした。

南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークを設立

静岡支部の設立については、日本高山植物保護協会が設立されて以降、白籏会長から強く要望されていたのですが、7年目にしてようやく設立したものです。

 支部設立を契機に、白籏会長とともに静岡県知事に条例制定を何回も陳情しました。平成10年4月には「静岡県高山植物保護対策検討委員会」が設置され、高山植物群生地(お花畑)の状況調査が行なわれました。

 その結果、以前にはあった高山植物群落がなくなっていたり、減少、変化しているのがわかってきました。その中で特に、ニホンジカの食害による被害が多大であることが判明したのです。

 平成12年12月には、前述の対策検討委員会が「高山植物の保護対策を行政と協働して、自主的に行なうボランティアグループの組織化を目指す必要がある。」との提言を行ないました。

 このため、平成13年4月には静岡県のご指導をいただく中で、静岡支部が中心となり「南アルプスボランティア設立準備委員会」を設置、1 年をかけ検討、平成14年7月に「南アルプス高山植物保護ボランティアネットワーク」を設立しました。

 この間、平成13年7.9月にはモデル事業として、聖平のニッコウキスゲの群生地にロープ柵や啓発看板を設置する等、高山植物保護活動がはじまったのです。

ネットワークの活動

このネットワークの目的は、「南アルプスにおける高山植物の効果的かつ永続的な保護対策を推進するため、ボランティア活動を行なうとともに会員相互の連絡及び交流を図る。」ことにあります。

活動内容としては、

  • ア利用者の指導及び高山植物保護思想の普及、啓発活動。
  • イ自然環境の調査。
  • ウ美化清掃活動及び植生保護施設の設置及び修繕。
  • エ会員の資質向上のための研修会の開催。

 等で、日本高山植物保護協会が掲げる高山植物保護活動の主旨と同じであり、単独の団体だけで活動するよりも、このネットワークに参画し、活動することが静岡支部にとってよりベターであると考え、今日まで活動を共にして参りました。

 環境省もこのような活動を評価され、平成20年より活動の内容を紹介していただきましたし、静岡県では、平成16年3月に発表したレッドデータを基に、平成20年から「静岡県高山植物保護条例」の制定に向け、検討委員会を設置され検討を始められました。

地道な活動の継続が後世に認められるものだと思う

このように、関係機関等へ現状をPRできつつあるのも、当協会を通じての活動によるものと思われます。  このような活動は、地道に活動を継続していくことで、後に世間に認められるものだと思われます。これからもゆっくりとした歩みではありますが、一人でも多くの皆さんと力を合わせ活動を続けていきたいと思います。


NPO法人 日本高山植物保護協会 平成21年度通常総会開催

1989年6月4日、山梨県高根町清里で開かれた「日本高山植物保護協会設立総会」から20年が過ぎた本年6月13日.に平成21年度通常総会が東京千代田区の都市センターホテルで午後1時半から開催されました。

まず、進行役の高橋事務局長より開会宣言があり、引き続き白.会長から、次のような挨拶がありました。「当協会が生まれて20年になるが何をしてきたかを問われれば、忸怩たるものがある。一時の熱がさめ会員も減少傾向にあるが、地道な努力を重ね高山植物を守っていかなければなりません。

本日お集まりいただいた方々は自然に対する愛、高山植物への愛をおもちの人たちです。昨今、高山植物は地球温暖化と思われる影響で、北へ追いやられつつあり、さらに人為的あるいは野生動物の食圧のために、その生育環境の急速な悪化が気になります。このため、従来にも増して保護の必要性が叫ばれています。皆様の英知と熱意でさらなる活発な活動を展開してゆくために、ご協力をお願い申し上げます。」

次に、ご来賓の皆様のご紹介とごあいさつをいただきました。ご来賓は、環境省自然環境局長代理の環境省自然環境局野生生物課 保護増殖係長の坂口隆様、関東地方環境事務所野生生物課 自然保護官 千葉康人様、山梨県知事代理の山梨県森林環境部次長 山本正彦様でした。
(あいさつ文は別掲)
総会は議長に関西支部長の山角郁男氏が選任されて議事に入りました。

議題は

第1号議案
平成20年度事業報告ならびに決算報告の承認に関する件
第2号議案
平成21年度事業計画ならびに収支予算(案)に関する件
第3号議案
入会金及び会費に関する規程の制定に関する件
第4号議案
「北信濃支部」解散の申出に伴う支部廃止の承認に関する件
第5号議案
役員退任の承認に関する件
第6号議案
その他

右記の6議案が審議され第1号議案では秋田監査役から本協会の会計処理が適切になされているとの報告があり、質疑も無く全会一致で承認されました。第2号議案では「20周年記念事業の予算の裏付け」に対する質問が寄せられ、記念誌の発行、記念式典を検討中であり、具体的に決定したら、予算計上を行うことで議案が承認されました。第3号.6号議案は質疑は無く原案通り承認され、総会決議が大内京子会員により朗読され、全員の拍手により採択され全ての議事を終了しました。

総会終了後、各支部長よりそれぞれの地域での積極的な活動報告がなされた後、恒例のフォトコンテスト表彰式は、最優秀賞の海野淑子さん以下10名の入選者が表彰されました。

記念講演は白.会長自ら、長年に渡って撮影した日本の代表的な高山植物をスライドを使って紹介すると同時に、それらの美しさや、私共人類の貴重な財産である高山植物を守ってゆくことが私たちの使命であることを熱く語り、出席者全員が改めて高山植物の価値を再認識し、手厚く保護してゆくことを誓い、本年度の総会が終了しました。(塩沢 記)


関西支部活動報告(支部長 山角郁男)

春の観察山行 滋賀県高島市大御影山(5月2日.3日)

実施日を昨年より1週間早め大型連休の前半にした。参加者は16名であったが、天候に恵まれ低山ではあるが沢山の花たちとの出会いがあった。

 この日観察できた花…イワウチワ、シャクナゲ、オオイワカガミ、オオイワカガミの白花、イカリソウ、ショウジョウバカマ、バイカオウレン、スミレの仲間・・・。 春霞の琵琶湖、竹生島を眼下にブナの鮮やかな新緑がひときわ目に映える1日であった。

伊吹山美化活動(5月22日 中止)

 例年、シーズンに先駆けて米原市環境保全課内に事務局をおく【伊吹山を守る会】が中心となり近隣市町村(関ヶ原町、揖斐川町、大垣市、米原市)および一般美化ボランティアによる美化活動が実施されている。 関西支部も毎年、山頂周回コースの清掃、保護用の柵やロープの補修作業に参加している。今年は5月22日.関西支部から3名の参加が決まっており現地集合の時刻にあわせ早朝に出発したが、途上、「現地の天候悪化で中止」の報を受けUターンする。

平成21年度「関西支部定期総会」(5月23日 中止)

5月23日.予定の平成21年度定期総会は、「新型インフルエンザ」が蔓延傾向にあり、多くのイベントの中止、小・中学校から大学にいたるまで休校や休学のニュースが流れていた。
終息の予測もつかない状況にあったため5日前に中止を決定、参加予定の会員にはメール、FAX、電話などを通じて中止を伝えた。
総会内容は7月末発行の支部情報誌「こまくさ」による誌上報告とした。

平成21年度 伊吹山観察山行(7月26日 中止)

設立20周年を迎えた記念行事の一つとして伊吹山における本部観察山行を企画、現地での運営を関西支部が担当することとなった。当初、募集定員は40名であったが、最終的には大型バス1台、乗車が短区間でもあるので補助席も全席利用、最大の53名まで受付けられた。
JAFPA関西支部役員会で当日の詳細日程を計画立案、山岳写真の会「白い峰」関西支部幹事会および有志の協力を得て万全の受け入れ態勢を整え当日を待つばかりになっていた。
しかし、7月下旬に至っても梅雨前線が日本列島から離れず西日本では連日水害による死傷者が報じられていた。天候の悪さは近畿地方も全域例外ではない。遠方から参加予定の方も多いので前々日に当たる24日早朝、周辺地域の最新の気象情報を得た上、止む無く中止を本部へ進言、同日中に全参加者宛「中止」の連絡がなされた。
伊吹山の花たちとの出会いを心待ちにして居られた参加希望者、参加者募集、参加費、傷害保険、バスチャーター、中止連絡など不測の事務量増加の本部事務局、参加者の大半が高齢者であることから、安全第一を念頭に全コースにわたって留意事項、要注意点など詳細な連絡会を持ち当日に備えた12名の関西支部スタッフ・・・結果的にはすべて徒労に終わったが大自然対象のイベントでは止むを得ない。
後日、予ねて準備してあった当日配付予定の資料を全参加者に送付、多数の方から謝意をいただいた。
因みに本稿執筆の8月4日現在、当地では未だ梅雨明け宣言を耳にしていない。観測史上初という。

関西支部情報誌「こまくさ」第21号 発行

年2回発行を続けている関西支部情報誌「こまくさ」は、数えて第21号になる。4月から7月に集中する支部行事の報告的要素をもつが、上記のように事情はともかく【中止】記事が多く心苦しい紙面に終始したのは残念である。


伊那谷支部 活動報告

高山植物保護の合同パトロールに参加)

高山植物等保護対策協議会南信地区協議会(略称高植協、事務局は南信森林管理署)主催の高山植物等保護の合同パトロールが、八月三日、ボランティア、山岳関係者ら二十八名が参加し、中央アルプス千畳敷や伊那前岳、極楽平稜線で行われ支部会員も参加した。
この合同パトロールは、八月前半に設定された高山植物保護強化期間の行事で、毎年南信森林管理署管内の中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳で実施され保護活動に取り組んでいる。この日は登山道整備、保護のためのグリーンロープの補修のほか、入山者に高植協で作成した啓発ちらし、啓発ポケットティッシュを配布し保護への協力を依頼した。
支部会員は千畳敷カールを巡回しパトロールを行い、支部で作成した啓発チラシも併せて配布した。久しぶりに晴れ上がった千畳敷では、黄色のシナノキンバイや何年ぶりかで白いコバ
イケイソウの群生が見られ、大勢の観光客は歓声をあげていた。

高山植物保護啓発とゴミ持ち帰りキャンペーン実施

本格的な夏山シーズンに入った七月二十四日早朝、伊那谷支部の高山植物保護啓発とゴミ持帰りキャンペーンを、例年通り駒ヶ根高原菅の台バスセンターで実施した。

支部で作成した高山植物保護啓発チラシと本部で作成したゴミ袋をそれぞれ配布し、約一時間半保護とゴミ持帰りを呼びかけた。参加者は支部会員六名で、バスを待つ乗客に渡しながら高山植物の開花状況や山の様子等を話し、コミュニケーションもでき高山植物保護を期待した大事な活動であった。

今年は十四日に梅雨明け宣言があったものの、その後戻り梅雨で連日雨の日が続き入山者の出足は鈍っていた。


南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークが自然環境功労賞

本格的な夏山シーズンに入った七月二十四日早朝、伊那谷支部の高山植物保護啓発とゴミ持帰りキャンペーンを、例年通り駒ヶ根高原菅の台バスセンターで実施した。

支部で作成した高山植物保護啓発チラシと本部で作成したゴミ袋をそれぞれ配布し、約一時間半保護とゴミ持帰りを呼びかけた。参加者は支部会員六名で、バスを待つ乗客に渡しながら高山植物の開花状況や山の様子等を話し、コミュニケーションもでき高山植物保護を期待した大事な活動であった。

今年は十四日に梅雨明け宣言があったものの、その後戻り梅雨で連日雨の日が続き入山者の出足は鈍っていた。


フォトコンテスト 入賞作品(十点)

最優秀賞「カタクリ」海野淑子(東京都府中市)は、表紙に掲載させていただきました。

優秀賞「タカオスミレ」
大平昭善(東京都府中市)
優秀賞「チングルマ」
村野長市(千葉県野田市)
入選「クリンソウ」
村野長市(千葉県野田市)
入選「ミヤマキリシマ」
大内京子(千葉県我孫子市)
入選「ミチノクコザクラ」
高橋 毅(青森県青森市)
入選「ハクサンチドリ」
村上浩二(青森県青森市)
入選「ミヤマゼンコ」
片桐勝彦(長野県駒ヶ根市)
入選「ウラジロヨウラク」
高橋雄司(東京都文京区)
入選「山里の春ヤマガラシ」
高橋英子(東京都大田区)
   

高山植物一口メモ[ヒメホテイラン(ラン科)姫布袋蘭]

布袋蘭は北関東や八ヶ岳周辺の山岳部でまれに見られる。このヒメホテイランは青森県に分布。北米・カナダに似た種類があり、ヒメが主流。

5月頃、常緑針葉樹林下に見られる。ヒメホテイランと言っても特に小さくはなく、大型のものが多い。見分け方を強いていえば、葉が緑色のものが多く、花は丸めで距の先端が見えにくい点である。

大分前に青森の山へ出かけた友から、ホテイランが沢山咲いていたとの情報を得たのだが行く機会がなく、数年前盛岡の友人の案内で訪れた時には登りには見つけられず、同じ道を丹念に見ながら下り、わき道の薄暗いヒバ林の下でやっと数株見つけました。(文と写真 海野淑子)



皆様からのお便りを募集しております

情報誌JAFPAへ掲載する会員の皆様からの便り「会員からの便り」を募集しています。

文字数は、500字程度で、写真もありましたら一緒にお送りください。「便り」には、会員番号、氏名、住所を必ず記載してください。なお、応募いただいた作品、写真はお返しできませんので、ご了承ください。


JAFPA会報誌をダウンロード

JAFPA会報誌をダウンロードいただけます。全文確認されたい方は、ダウンロードしてご利用下さい。

JAFPA会報誌全文ダウンロード
このページのトップに戻る