JAFPA NEWS(会報)

JAFPA NEWS Vol.65

平成19年秋に設置したネットの中で3年目にしてようやく開花した裸山のアヤメ
平成19年秋に設置したネットの中で3年目にしてようやく開花した裸山のアヤメ 広瀬和弘氏提供

会の活性化のために

理事 古谷 聖司

会報63 号で川合監事から、「現状でやれることを続けよう」という提案がありました。 私も1989 年6 月のJAFPA 設立以来参加している一員としてなかなか参加できない会活動に、些か忸怩たる思いに駆られていた矢先、少しばかり救われた気がいたしました。

南関東地域に住む私にとって、決して手を抜いているわけではありませんが、地理的地域的偏りと、季節的にも夏期を中心に短い期間の活動に絞られるという言うハンディを負い、この地方の登山者の多くは、高山植物といってもなかなかピンとこない現状に、些かいらだちさえ覚えておりました。

しかし、会の運営は大きな波間にもまれ乍らも20 年という大きな試練を越え、人間でいえばもっとも躍動すべき青年の時代に入っている今、確かに会員の伸びの鈍化は、会の生命にかかわることは否めません。先人の高邁な理想を少しでも前進させるためにも、何か良い知恵を出し合う時期にもきていると思います。

例えば現在の賛助会員を平準化し、アクティブな活動には参加できないが、会費は払いやすい額に設定し、会活動を金銭的に支援する(維持会員制)など、どうだろうか。又募金活動が許されるならば、登山口で募金箱の設置や、全国集会を登山口で行い、その足で大デモンストレイションを行うなど。運用に難しい面は多 くあると思うが、検討してみる価値はあると思います。

更にこの際高山植物保護という大義の下、改めて北アルプスや北海道の方々まで巻き込んで大々的な活動を展開していくことも一般登山者からの「なぜ北アルプスが入っていないのか」という素朴な疑問に応える課題だと思います。


東日本大震災で悲運に遭遇された皆さまへのお見舞い

特定非営利活動法人 日本高山植物保護協会
会長 白簱 史朗 会員一同

本年三月十一日の東日本大震災は、近来、稀にみる不幸な出来ごとでした。地震、そして津波にまき込まれた方がたの運命はまさしく悲運そのものといえ、なくなった方がたは勿論のこと、あとに残された人たちの悲しみ、苦しみは筆舌に尽くし難いものといえるでしょう。

また、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故は、INESの評価で最悪の「レベル7」となり、極めて深刻な状況となっています。

ここに謹んでお悔みを申し上げます。

こうした被災地の方々にくらべれば、多少遠隔地にいたため、最少の被害にしか会わなかった私たちは幸運としか云えません。ですが、私たちだけが幸運であったからというには、あまりに人の運命として不公平の感をぬぐい切れません。私たちもでき得るかぎりの助力を不幸な方がたに対して為さねばならないと考えます。

いま、こうしている間にも、現地では住む家も失い、食べる物もなく、寒さと飢えに苦しんでいる沢山の人がいるのです。まったくどんな悔みのことばをもってしても、その苦しみを軽減することができないことを思えば、それがまた身を苛なみます。どうか、お心を強く保って、人生を生きぬいてくださいとお願いするばかりです。

終わりにのぞみ、お亡くなりになった多くの方がたのご冥福をお祈り申し上げます。


特定非営利活動法人日本高山植物保護協会 平成23年度通常総会の開催

平成23年度通常総会を下記の日程で開催いたします。ご多忙のこととは思いますが、多くの皆様のご出席をお待ちしております。

日時 平成23年6月5日(日)午後1時30分
受付時間 午後1時から
会場 都市センターホテル(地下鉄 永田町駅9番出口から徒歩3分)
東京都千代田区平河町2丁目4—1
Tel:03-3265-8211
日程 1.総会
平成22年度事業報告・収支決算報告
平成23年度事業計画・収支予算案
役員の退任及び選任に関する件
その他
2.フォトコンテスト表彰式
3.記念講演
演題
「南アルプスにおける植生復元活動」
講師 静岡支部 鵜飼一博 氏
問合せ先
〒400—0027
甲府市富士見一丁目3-28
NPO法人 日本高山植物保護協会事務局
Tel&Fax 055-251-6180

※ 理事会は、午前10時から同会場で開催します。


南アルプスをシカの食害から守るため環境省と山梨、静岡、長野3 県の自治体で連絡会を設置

南アルプス市みどり自然課 伊井 和美

南アルプスは、3,000m級の山々が連なる日本を代表する山岳地域です。

その高山・亜高山帯には、厳しい自然環境のなかに数々の可憐な花が咲いており、それらは氷河期の依存種や固有種が数多くあり生物多様性の保全の観点から重要な地域です。

その、高山・亜高山帯に近年鹿の食害の影響が見られるようになり「お花畑」への影響が報告されるようになりましたが、その影響はこの数年で急速に拡大し、深刻な問題となっています。

この、食害は高山植物だけでなく、この地域に生息する動物へも影響を与え、生態系へ与える影響は膨大なものとなっています。

鹿による植生への影響を防止するため、南アルプスにおいては早急な対策が必要な時期にきているとともに、今後、影響がより拡大かつ深刻化する可能性を含めて対策を進めることが、たいへん重要となっています。

このような中で昨年、環境省・中部森林管理局・南信森林管理署、長野県、山梨県、静岡県の3県と、長野県の伊那市、飯田市、富士見町、大鹿村、山梨県の韮崎市、南アルプス市、北杜市、早川町、静岡県の静岡市・川根本町の関係機関で構成される「南アルプス高山植物等保全対策連絡会」が設立され、各自治体が共通認識を持って、ニホンジカによる食害対策の効率的な取組みを進めることを確認しました。

今年1月19日には、山梨県の南アルプス市内で2度目の連絡会が開催され、各関係機関がそれぞれ策定した素案について発表し、意見交換を行なう中で、「南アルプス国立公園ニホンジカ対策方針」の策定について話し合いを行ないました。

対策方針は、南アルプス国立公園及びその隣接地域における高山植物等について、保全の目標、対象、対策実施方針、役割分担等をとりまとめるものであり、環境省が学識経験者や関係行政機関の意見を得て平成二十年度に作成した「南アルプス国立公園及び隣接地域における高山植物等保全対策計画(案)」をもとに、連絡会で改めて検討し対策の具体案を作成するものです。

対策方針の中には、ニホンジカの生息状況等の生態系の把握及び監視の実施と、これに基づく個体数管理や防鹿柵等によるニホンジカ防除の実施等の対策が、必要な対策として位置づけられるとともに、関係機関の役割分担が整理される見込みです。

南アルプス国立公園内には、キタダケソウなどの希少種を含む多数の貴重な高山植物が自生しています。

このたびの県域を越えて取り組まれる広域的な保全対策は、圏域ごとに取り組まれていたこれまでの対策にくらべ、より実効性ある取組みとなることが期待されます。


平成23年度高山植物観察山行実施要領

今回の観察山行は木曾御岳山。お池巡りを計画してみました。3,000m 以上の山ですがコマクサ、ミヤマクロユリ等の可憐な高山植物に出会うのを楽しみにしています。会員他多数の皆様のご参加をお待ちしております。

日時 平成23年7月31日(日)~8月1日(月)1泊2日
観察場所 木曾御岳 五の池小屋を起点に継子岳から四の池お花畑から三の池の周辺
宿泊地 五の池小屋(泊)
参加資格 3,000m級の山岳登山が可能な方
参加費 当協会会員 16,000円
一般参加者 17,000円
(宿泊費、ロープウェイ代、昼食代、保険料、写真代等含む)
募集人員 20名
募集締切 平成23年6月10日(木)※期日前でも募集人員になり次第締切ります。
参加の可否については、6月20日までに連絡します。
集合場所 (受付)ロープウェイ鹿ノ瀬駅 (無料駐車場あり)
木曽福島駅より鹿ノ瀬駅までバス運行あり
集合時間 7月31日(日) 午前10:00
日程 31日
黒沢口から御岳ロープウェイを利用し、飯森高原駅(2150m)~女人堂、三の池経由で五の池 小屋(約5 時間位)
1日
五の池小屋~お花畑観察~サイノ河原~剣ヶ峰~女人堂~飯盛高原駅~鹿ノ瀬駅(5~6時間位)
尚、バス時刻、コース等の詳細は参加者に後日連絡します
携行品 一般的な登山の服装で、雨具、防寒具、非常食、懐中電灯等を持参のこと。
(31日の昼食は各自持参して下さい。)

今回の計画は岐阜県在住の当会員の熊崎浩之氏に協力依頼しております。

[申込・問合せ]

E-mail、FAX 又は官製はがきに下記事項を記載して、申込期限までに申し込み下さい。
(1)住所、氏名、年齢、電話番号(携帯電話番号)、会員番号(一般参加者は不要) (2)登山経験
(3)健康状態、その他特記事項
〒400-0027 山梨県甲府市富士見1丁目3-28 特定非営利活動法人 日本高山植物保護協会 TEL/FAX 055-251-6180 E-mail:info@jafpa.gr.jp


高山植物一口メモ[ラン科・サカネラン属]

カイサカネラン(ラン科・サカネラン属)
カイサカネラン(ラン科)

 カイサカネランは1948 年に古瀬義氏により、山梨県三ッ峠で発見された。その後古瀬氏によって長野県長谷村戸台で再発見されたが、いずれの自生地からも姿を消した幻のランであった。カイサカネランが再びスポットを浴びたのは1998 年に長野県富士見町の釜無山地で、今井建樹氏により再々発見。私は翌99 年、今井さんの案内で撮影する事ができました。
特徴はサカネランやヒメムヨウランと異なり全体が緑色をしている。花序や子房に短い白毛が密生している。高さ10 ~ 15cm 位、花の大きさ5 ~ 6mm、釜無の自生地での花期は8 月末から9 月初旬。イナブナやミズナラ、イタセカエデなどの大木の林床で、腐葉土が厚く推積した所で基岩は石灰岩です。その後私も各所で探して歩いたが見つかりません。
ぜひ皆様も幻のラン、カイサカネランを探して見ませんか。(文と写真 佐野璋司)


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