JAFPA NEWS(会報)

JAFPA NEWS Vol.78

高山植物フォトコンテスト 最優秀賞「シロバナレンゲショウマ」大内京子(千葉県我孫子市))
高山植物フォトコンテスト 最優秀賞「シロバナレンゲショウマ」大内京子(千葉県我孫子市)

JAFPA 活性化のために

北アルプス槍ヶ岳山荘 穂苅 康治

人口減少化と高齢化の進む日本で、また、日本山岳会等の大きな山岳団体でも会員の減少に悩んでいる中で、JAFPA だけが一人新人会員を増やすということは、望むべくも無い様に思います。高山植物や、その生育する環境を守るJAFPA の活動は、大変崇高な活動ですが、庶民から見るととても近寄りがたい存在に見えます。次代を担う子供たちや若い方に焦点を合わせて、平易な言葉で山と自然を解説したり、山の花を見る会を催すとか、気楽に参加できる雰囲気を作ってはいかがでしょうか?

一方、山の花を愛でる登山者、特に中高年の女性は、ものすごく増えているように思います。彼女たちの山野草の知識は、大変なものでいつどこへ行けばどんな花が見れるのか大変よくご存じのように思います。そして、彼女たちの通う山の登山道等の管理は、地元市町村や、委託を受けた地元山岳会が担っています。地元市町村や観光協会、旅館等の観光事業者にとっては、山野草や高山植物は大事な観光資源であり、その保護も大事な行政サービスの一環となっています。また、長野県では森林管理署が、高山植物等保護対策協議会を組織して、山岳ガイドや山小屋のスタッフを高山植物等保護指導員に委嘱して巡視活動を行っており、保護指導員は、毎年、小屋閉め後に、森林管理署に活動報告を提出しています。

このような中でJAFPA が、将来を見据えた活性化を進めるためには、地元小中学校や高校生、大学生に対する出前講座を行うなど、地域に密着したオリジナリティーのある活動を進めることが必要ではないでしょうか?そして、学校に出入りできるようになれば、若い先生方のJAFPA 参加の可能性もでてくるのではと思います。


山梨県におけるニホンジカの生息

山梨県みどり自然課 自然保護担当 長島 隆康

近年ニホンジカ(以下、シカ)の生息数は著しく増加し、農林業被害や自然植生への影響など様々な問題を生じさせています。

このような状況に対し、本県では、平成17年4月に山梨県特定鳥獣(ニホンジカ)保護管理計画(以下、特定計画)を策定し、農林業被害等にみられる人とシカとの軋轢の軽減、シカ個体群の安定的維持、さらには生態系に対する影響の防止を図ることとしました。

この計画では、計画的かつ順応的なシカの管理を行うため、シカの生息及び被害の状況をより正確に把握しながら、個体数管理・被害防除対策・生息環境管理の総合的な実施を目指すこととしました。

また、農林業被害の軽減及び生態系への影響抑制のため、生息個体数(生息密度)の抑制を施策の柱として位置づけ、平成17年度猟期から全県的にメスジカの狩猟を解禁しました。

平成18年度猟期からは、シカの狩猟期間を一ヶ月延長(二月十五日終了を三月十五日終了に変更)するとともに、1日あたりの捕獲数を1頭から2頭(メスジカ2頭またはメスジカ1頭とオスジカ1頭)と捕獲頭数の制限を緩和し、また、個体数を効果的に抑制するための管理捕獲についても強化しました。

平成19年度、特例休猟区制度を導入し、休猟区においてもシカの捕獲を可能としたことから、その捕獲数は大きく増加しました。

平成24年度から開始された第二期計画(平成28年度まで)では、狩猟期間に変更はないものの、一日あたりの捕獲頭数の制限を撤廃するとともに、平成25年度からは、ツキノワグマの冬眠中の期間限定ではあるものの、くくりわなの輪の直径の制限を緩和(12㎝以下 →20㎝以下)し、近年増加傾向にあるくくりわなによる捕獲の普及促進を図って参りました。

~県内のシカの分布~

県内を約5㎞四方のメッシュに区切り216 メッシュとしてシカの分布を示したのが図1になります。

平成13~24年度で狩猟者が出猟した際、県に情報提供いただいたデータから、新たにシカの分布情報が得られたメッシュは58メッシュでした。このことから、この10年程度の間にシカの分布が急激に拡大し、人による土地利用度の高い甲府盆地や冬季に積雪の多い高標高地帯など従来シカの生息に適さなかった環境にもシカの生息域が拡大し、全県的に分布して来たことが判明しました。

県境部の高標高域を除いて分布拡大の余地はほとんどなく、シカの分布が確認された地域は、県全体216 メッシュのうちの213 メッシュと全体の98.6%を占めるに至っています。

特に、近年高山植物への影響が顕在化している高標高域における生息状況については、今後、積極的に情報を収集し、対策を講じていくこととしますので、高山植物についての情報提供についても、ご協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

~県内のシカの捕獲状況~~

次に昭和50年度以降の山梨県におけるシカ捕獲数の経年変化を示したのが、図2です。

県内の狩猟捕獲数は平成元年度まで約100 頭前後で推移していましたが、平成2年度以降徐々に増加しました。平成9年度には約400 頭に達し、平成12年度には600 頭を超え、平成15年度には900 頭を超えるに至りました。

この間の捕獲数の顕著な増加の背景には生息数の増加及び分布域の拡大等が考えらます。平成17年度にはメスジカの狩猟を解禁したため、雌雄を合わせた狩猟数は1,109 頭(性不明個体10頭を含む)に増加しました。

さらに、平成18年度には狩猟期間の延長及び捕獲数制限の緩和により捕獲数が大きく増加しました。

平成20年度以降の全捕獲数は大幅に増加していますが、狩猟による捕獲数は平成20年度から24年度までオスは1,800 頭前後、メスは1、300 頭前後でほとんど変化はありませんでした。

一方、平成18年度から開始された個体数調整のための管理捕獲によりその捕獲数は年々増加しました。

平成21年度、22年度は管理捕獲による捕獲数が約3,000 頭、平成23年度は約3,500頭、平成24年度は約6,000 頭と急増し、平成25年度は約7,200 頭、全捕獲数の約65%を占め、初めて捕獲数が11,000 頭を超えました。

~新たな動き~

国は、平成二十五年十二月に取りまとめた「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」において、シカの生息数を平成35年度までに半減(平成23年度比)させることを目標設定するとともに、これまで各都道府県においてバラバラであったシカの推計方法を統一させ、新たな推計方法(階層ベイズ法)により平成24年度末の推定生息数を公表しました。

本県では69,917 頭と、これまで行った推定生息数の約1.8倍になったところです。

また、今年5月末、これまでの鳥獣保護法(正式名称では「鳥獣保護及び狩猟の適正化に関する法律」)の目的に新たに「鳥獣の管理」の考え方を加えて改正された「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」が施行されました。

この中で、イノシシと並びシカは集中的かつ広域的に管理を図る必要がある指定管理鳥獣とされ、地域個体群の存続に配慮しつつ、可能な限り捕獲等を推進することとなりました。

そのため、本県では国と同様に平成35年度までにシカの頭数を半減させることとした第二種特定鳥獣(ニホンジカ)管理計画を策定し、さらに積極的に個体数調整を行うこととともに、引き続き、被害防除対策と生息環境整備を総合的に図ることとしました。

~今後の課題~

本県においての年齢別狩猟免状の交付状況については図3のとおりです。

捕獲の重要な担い手である狩猟者数は年々減少しており、その年齢構成も60歳以上の方が66%と高い比率になっています。

新規狩猟者と管理捕獲従事者の確保対策は重要な課題であります。

県においては、新規狩猟者の経済的負担を軽減するため、新規狩猟免許、猟銃所持許可取得者への助成を市町村に対して行うとともに、狩猟の魅力を知って貰うための狩猟シンポジウムを開催しています。

また、実践的な捕獲技術の取得のための管理捕獲従事者研修会の開催、管理捕獲従事者が県外で行う射撃訓練費の助成、万が一の狩猟事故に備え、補償内容を拡充するためのハンター保険料への助成等を行っています。

最後にシカの個体数調整は生物多様性の面からも喫緊の課題であることから、引き続きまして、皆様のご理解・ご協力をいただけますよう、お願いいたします。



平成26 年度高山植物入賞作品

最優秀賞「シロバナレンゲショウマ」(大内京子)は、ページトップに掲載させていただきました。

フクジュソウ
優秀賞 「フクジュソウ」
真鍋 好煕(大阪府堺市)
ミヤマスミレ
優秀賞 「ミヤマスミレ」
鈴木 文夫(静岡県富士市)
キクザキイチリンソウ
入選 「キクザキイチリンソウ」
村上 浩二(青森県青森市)
ミズキボウシ
入選 「ミズキボウシ」
高橋 英子(東京都大田区)
ノビネチドリ
入選 「ノビネチドリ」
小林 和子(東京都昭島市)
ミヤマリンドウ
入選 「ミヤマリンドウ」
村上 浩二(青森県青森市)
シロバナエゾスミレ
入選 「シロバナエゾスミレ」
鈴木 文夫(静岡県富士市)

高山植物一口メモ トウヤクリンドウ(りんどう科)

トウヤクリンドウ(りんどう科)

トウヤクリンドウは、高山性のリンドウで花色も、同属の他種と異なり、淡黄色の鐘形で、青緑色の斑点がある。花は茎頂に数個つけ、日光を受けて開花、草丈は、10 ~ 25cm になる多年生草本で、花期は8 月。本州中部の特産で、高山帯の礫地や草原に生育する。
トウヤクは、当薬で、薬のなるという意味で根を煎じて飲みます。
華やかだったお花畑に、秋の風が吹きはじめると、トウヤクリンドウの黄色い花が目立ちはじめます。下界は酷暑でも、高山は、はや秋です。トウヤクリンドウの灯りがともると、夏山もそろそろ終りに近づくようです。

(写真と文 大内京子)

 


皆様からのお便りを募集しております

情報誌JAFPAへ掲載する会員の皆様からの便り「会員からの便り」を募集しています。

文字数は、600字程度で、写真もありましたら一緒にお送りください。「便り」には、会員番号、氏名、住所を必ず記載してください。なお、応募いただいた作品、写真はお返しできませんので、ご了承ください。


JAFPA会報誌をダウンロード

JAFPA会報誌をダウンロードいただけます。全文確認されたい方は、ダウンロードしてご利用下さい。

JAFPA会報誌全文ダウンロード
このページのトップに戻る