JAFPA NEWS(会報)

JAFPA NEWS Vol.79

黎明(写真提供 宮田義之)
黎明(写真提供 宮田義之)

新愛なるJAFPA 会員の皆さまへ

会長 白簱 史朗

明けまして、お目出度うございます。いつも思うことですが、時間の経過の過ぎ去る速度に呆然とする毎日です。つい先ごろ一年の終り、昨年の師走が過ぎたばかりと思っている裡に、早や、本年もその師走が巡ってまいりました。いま改めて思い返してみると、成人して社会に出てから、毎年毎年、それを思い、これでは不可ないと心に思い返していながら凡夫の悲しさ、またしてもその轍を踏んでしまい、いまとなって悲しく恥しく、後悔の涙にくれています。

私はこの一年、いったい何を為して来たのだろうか?何も為さず、ただ無為に過してきた日常を思い返す度、恥しく、後悔の涙に暮れるばかりです。しかし、日常の些事にかまけていたことに気付くたび、自分ながら恥しく、強い後悔の涙に暮れることを繰り返して居ります。

そのひとつに私たちの人間として為さねばならぬ地球保護、そして、その中に可憐な高山植物の保護があります。ふだん山に登り、その可憐で美しい姿に接するたび、ああ、これではならない。もっともっと、この可憐で美しく、もろい性を持つ、この植物たちを護らねばならないと、思いながらも、いつも日常の煩瑣な事柄に押されがちながら、ついこのことを疎かにしている自分を恥しく思い返すのですが、その一瞬一瞬はすでに還らないのです。そして、山に登ったとき、美しい花々を眺めやるとき、更にそれが見るかげもなく荒されているとき、強い悲しみと後悔の念に暮れながら人間の性の無力さに唯、涙に暮れるばかりです。

ですが、それだけで、手をこまねいていてはならないと思います。私たちは心を新たに、更に強く持って、この可憐な高山植物を守ることに専念するべきと強く思います。

どうかJAFPA 会員の皆さん、お力をお貸し下され度く、2016 年新春に際して、皆さまに改めて強くお願い致し度く考えます。

どうぞお力をお貸し頂きたく、心よりJAFPA 会員の皆さまにお願い申し上げます。あの広大な高峰の斜面を埋めて咲き誇る豊沃な花々のお花畑。それを夢見て、共に手をたずさえ、実現に歩を進めることを、そして、改めて皆さんと共に歩める倖せを夢見て居ります。

どうか宜しくお願い申し上げます。


平成27年度観察山行を実施

7月26日(日)・27日(月)参加者18名にて乗鞍岳観察山行を実施いたしました。

1日目は畳平で昼食を済ませ、お花畑を散策、標高2772m の大黒岳では360度の大パノラマに感動。

2日目は2名が体調を考慮し待機するとの事で16名にて剣ヶ峰登頂。両日とも天候に恵まれ、地元の保護活動の努力により数多くの植物を観察することが出来、充実した山行となりました。

以下は、観察山行に参加された皆様からの報告です。(事務局 小田切澄子)。

乗鞍岳観察山行に参加して

神奈川県平塚市 三浦 敏明

私がこれまでに登った最も高い山は、富士山を除くと、中学生の時に登った西穂高岳でした。今回数十年ぶりにそれが更新され、初の三千メートル越えとなりました。

JAFPA へは、「高山植物保護の会が設立される(た?)」という新聞記事を見て入会しましたが、十七、八年前の八ヶ岳(硫黄岳)の指導者研修に参加して以降、会員としての活動実績は全くなかったのです。そんな私が、昨年の伊吹山、今年の乗鞍岳、と二年連続の観察山行参加となりました。

高山植物の知識もなく、登山歴もなく、また直前に日程がたて込むなどし、一時は行けないかも、と思うこともあったのです。が、結果的に天候にも恵まれ、とても楽しい時を過ごすことができ、心から「参加してよかった」と感じています。

今回は、土曜日の深夜0時前に、何十年ぶりかで新宿から夜行列車に乗り、松本着が午前四時半過ぎ。列車の終点の白馬方面に乗り過ごさないよう、熟睡は望むべくもありませんでした。

松本在住の友人とは七時の待ち合わせなので、駅周辺を一時間ほど散歩の後、終夜営業のレストランで一服。松本の駅周辺を歩くのも大分久しぶり。昔は、駅から東へまっすぐ行き、大通りを左折すると、ほどなくお城が見えたような気がします。通りの骨格は昔のままのようですが、高い建物で見えなくなったのでしょうか。

友人と朝食後、彼の車で乗鞍観光センターに送ってもらいました。

観光センターで甲府からの皆さんのバスと合流後、畳平へ。道路が樹林帯を抜け、風景が見渡せるようになり、高いところに来たんだ、と実感し期待が高まりました。

一日目は、畳平から見おろす木道が印象的なお花畑の散策。北アルプスや八ヶ岳方面の展望。夜明け前の天の川と流れ星。ご来光。山慣れない私には、短くても結構大変だった二日目の剣ヶ峰への登山。残雪と雪解け水をたたえる神秘的な色の池。すべてが心に深く刻まれた夢のような二日間でした。

帰ってきた翌日、下界の暑さと筋肉痛でぐったりか、と思っていたら、さしたる疲れも感じず、むしろすがすがしくさわやかな気分でした。山の精気のなせる技でしょうか。

高山植物を愛し、見守ることは、はかないもの、弱いものを支え、慈しむことであり、広く自然と人類を愛する心につながると思います。JAFPA の会員であることは私の小さな誇りです。

ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。(※高山植物の名前が一つも出てこなくてすみません。)

山の花たちに乾杯  ―乗鞍岳高山植物観察山行―

静岡県藤枝市 藪﨑 央而

夏の朝は早い。台風の心配もなくなり、明るくなり始めた空は青い。早朝5時前に自宅を出発した。第二東名開通のお蔭で山梨・長野方面への所要時間は短縮だ。甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳、常念岳などを車中から望みつつ、順調に走行して集合場所の乗鞍高原観光センターに到着した。ほぼ満杯の駐車場をウロウロし、漸く空きを見つけて車を止める。

早朝出立のためか小腹がすいた。駐車場の青い空の向こうの乗鞍岳の峰を眺めながら、ちょっと早いが軽く昼の弁当をいただく。そうこうしているうちにリーダーから連絡が入り皆さんと合流、バスに乗車する。いよいよ畳平に向けて出発だ。

初日26日は日曜日とあって「観光客」が多い。夏スキーを楽しむ人、高山の涼しさを肌に受けながら花畑に歓声をあげる人たちなどで賑わっている。

リーダーから今日の行動予定や注意事項をよく聞いていよいよ観察行動開始だ。ハクサンイチゲの大群生をはじめ一面に咲くお花畑は見事だ。そして青い空と雲が夏山の表情を一層盛り上げる。

周囲に気を配りながら木道をゆっくりとリーダーの説明を聞きながら歩く。時折り花畑を囲む不動岳(2,875m)や恵比寿岳(2,831m)を見上げてお花畑全体を眺める。実に気持ちがいい。ヨツバシオガマ、ハクサンイチゲ、クロユリ、コバイケイソウ、ミネズオウ、ミヤマキンポウゲ、イワギキョウ、アオノツガザクラ……と元気に咲き迎えてくれる植物たちに感謝し、シャッターを押す。

多くの説明をしてもらうがそのうち花名が混乱してくる。(申し訳ない。)お花畑を一巡して大黒岳に向かう。途中、雪渓と鶴ケ池を前景に槍ヶ岳を眺める。岩陰にひっそりとトウヤクリンドウが咲き、池畔にはコマクサの群生が砂礫をピンクに染め、風に揺れていた。

広い山頂の大黒岳(2,772m)からは、穂高連峰、槍ヶ岳、笠ヶ岳そして振りかえれば乗鞍岳の峰々、遠くに南アルプスがある。360 度の大展望だ。しばし展望を楽しみ下山、本日の宿である銀嶺荘に入る。

夕食は、綺麗な山の花たちに乾杯し、登山の思い出や出会った花の話が弾む交流のひと時だ。(食事もおいしかったね。)明日も楽しみにしながら就寝。

夜空を眺めに夜中2時半、ぬっと起き外へ。満天の星空だ。天の川をバックに流れ星が長い尾を引く。一つ…また一つ……。地元では北極星や北斗七星、カシオペアなどは分かるのだが、星が多すぎて全く分からず。コンパスで「北」は確認。

突然、畳平の広場がパッと明るくなり、ゲートや駐車場の管理人があわただしく作業をしだした。(3時半だよ、早いねー。)これで星空は諦めご来光待ちに。

ちょっと冷えてきたが、富士見岳(2,817m)山頂からの穂高連峰や槍ヶ岳のシルエットそして日の出はまた格別であった。花畑の向こうには高山市街だろうか、雲間から見え隠れしていた。

二日目は剣ヶ峰3,026m への登山。朝の濃いガスも徐々に晴れて素晴らしい天候だ。肩の小屋登山口から頂上を目指す。夏休みで児童、学生、家族連れなどの登山客で道は渋滞。互いに挨拶を交わしながらゆっくりと登る。大分来た。頂上近くでは時々立ち止まって神秘な権現池や遠くアルプスを眺める。

狭い山頂に着きぐるっとひと眺めし、素早く記念撮影。登ってくる人と交代だ。岩場の道を慎重に下る。下を見ると下山する人、登ってくる人の長~い列が見える。肩の口小屋に着いて小休憩し、道端の花たちの観察をしながら富士見岳経由で駐車場に辿り着いた。全員無事。

この山行で沢山の花たちに会えたこと、剣ヶ峰はじめ四山踏破と美しい夜空も眺められたことなど、二日間にわたって大変お世話になりました。リーダーの懇切丁寧な説明に感謝します。またこの観察会を支えて頂いたスタッフの皆さん、ありがとうございました。お礼申し上げます。


ゴミ持ち帰りキャンペーン実施

10月25日(日)ゴミ持ち帰りキャンペーンを日本百名山の一つ奥秩父にある瑞牆山(2230m)の登山口において実施しました。

前日まで穏やかな晴天の為、日中などは汗ばむ程の日もあったが、キャンペーン当日はこの秋一番の冷え込みとなり風も強くキャンペーン旗の設置も困難だった。事務局3名と会員3名の協力を頂き6時半より「ゴミ持ち帰り」を呼びかけティッシュペーパーを配布「ご苦労さまです。」「承知していますよ!」と言って下さる方や「呼びかけないとならないのは悲しいですね。」との声も聞かれました。寒風の中、1時間も配布していると手がかじかんできた。それでも陽も差してきたので入登山者がまばらになる10時ごろまで400 個のティッシペーパーを配布した。(小田切澄子)


山や丘に春先咲く花 山梨県甲府市 井川 隆

※日付は撮影日

セツブンソウ
セツブンソウ 2 月12 日
キンポウゲ科 小形の多年草
早春節分のころ開花するのでこの名がある
ミスミソウ
ミスミソウ 2 月25 日
キンポウゲ科 高さ5 ~ 10cm の多年草
三角草で葉の形による
ザゼンソウ
ザゼンソウ 2 月28 日
サトイモ科 仏炎苞は長さ10 ~ 20cm
座禅草 ミズバショウの仲間
フクジュソウ
フクジュソウ 3 月6 日
キンポウゲ科 福寿草
新しい年を迎えるめでたい名前です
コシノコバイモ
コシノコバイモ 3 月26 日 ユリ科
山地に生える10 ~ 20cm の多年草
花被片の中脈に突起がある
カイコバイモ
カイコバイモ 4 月14 日 ユリ科
コシノコバイモに似ているが
中脈に突起がないので区別できる

高山植物一口メモ セツブンソウ(きんぽうげ科))

セツブンソウ(きんぽうげ科))

関東以西に特産し、落葉広葉樹林の林縁や林床に生え、石灰岩地帯を好む。早春に根出葉とともに花茎を出して、節分の頃開花するのでこの名がある。初夏、樹木の葉や、大型の草木が茂って地表を被う頃、種子と塊茎を残して地上部は枯れる。丈5 ~ 15cmの多年草で、白色の花を1個つける。花の径は2cm 位がく片は5個で花弁状卵形で縦脈があり、ふちにはふぞろいの鈍きよ歯がみられる。花弁は5個で退化し、2岐した黄色の密槽になるおしべは多数、やくは淡紫色で美しい。

セツブンソウは、透きとおるような白い花びらが、人の心をとらえるのだが、これは、がく片で、紫色の美しいやくのまわりを飾っているきいろい密槽が、花びらだという。早春の冷たい風にゆすられて、匂いたつばかりに咲く花は、見あきることがない。

白生地で、今を盛りに咲く、清楚で、清々しい花も、私が通っていたお茶の師匠の茶庭では、「ちり紙がちらかっているようよ」とおっしゃるように、風情のかけらもない。やはり野におけ、レンゲソウは、名言だと思う。 (写真と文 大内京子))


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