JAFPA NEWS(会報)

JAFPA NEWS Vol.80

黎明(写真提供 宮田義之)
平成27 年度観察山行 乗鞍岳 2015 年7 月26 日

JAFPA活性化のために北八ヶ岳黒百合ヒュッテ

理事 米川 正利
私が山小屋に入った若い頃は登山者も少なく、毎日小屋の周りに出てくる動物に話しかけたり、森や草原に咲く可憐な花々を観察し一人生活の寂しさを紛らわしていた。その頃は高山植物が足の踏み場も無いくらい咲き誇って実に見事だった。
 
現在は如何だろうか、地球温暖化により亜高山帯植物が高山帯へ、高山帯植物が変形し退化して来ている。それと ニホンシカが標高2700m まで出没し食荒し、山を知らない心無い登山者の踏み荒らしも多く、高山植物の荒廃は著しい。私共の子供の頃の遊び場は山や草原の自然の中だった。学校の先生が何時も先頭で色々な自然を教えてくれた。だが最近の学校の先生方は学校の仕事に追われて自然を忘れがちになっている。残念でならない。
 
 JAFPA の在り方とは、最近登山者が増えてきている。今年度から(山の日)も実行されます。日本ロングトレイルの全国的な増加、都会の人達の自然散策志向や子供向け自然学校も全国的に増加しつつある。中高年、若者特に女性や家族連れが多くなってきた。一昨年から日本山岳会では親子登山を推奨しています。八ヶ岳でも山小屋でつくっている八ヶ岳観光協会では「八ヶ岳キッツプロジェクト」と評して子供達の宿泊料金を無料にして親子登山を進めている。各地の高校山岳部は急増しているし、外国人登山者も増えるでしょう。山岳ブームが来つつあります。
 
 現在 JAFPA の会員も低迷していると聞きますが、ここが転換期では無いでしょうか。もう一度多くの若者に呼びかけてJAFPA を理解していただき活性化を進めたいものです。各省庁や企業等への働きかけ、日本山岳会、山岳ガイド、各地の山岳会、地元市町村、観光協会、教育委員会、地元の小学校、中学校、高校、大学、山小屋での説明会や講演、高山植物保護指導員による各地での山岳山行、出来る範囲で急ぎ進めて行かなければならない大きな課題です。
 

静岡支部 活動報告

会計担当 荻野 正明

防鹿柵の設置

昨年に引き続き、今年も南アルプス高山植物保護ボランティアネットワーク主催の南アルプスのお花畑を、シカの食害から守るための防鹿柵設置作業や食害によって裸地化した場所のヤシネットによる土砂流失防止工事作業に参加しました。活動期間は、6月から10月までで、北は塩見岳、三伏峠から南は茶臼岳まで数回にわたって参加しました。近年は高校生の参加が多く、若い世代にもシカ食害の現状が周知され広がって来ており、今後協力する人が増加していくことが期待されます。

講演会

3月19日に開催されました「第10回南アルプスを知ろう講演会」に協賛しました。テーマは①仙丈ケ岳のシカ食害エリアにおける高山植生回復活動で、②は山岳環境の変化と保全で、生物多様性の危機と地球温暖化による希少種の減少、また、シカの脅威等に対し、防鹿柵の設置、ライチョウの保護増殖等科学的な取り組みを行っているというものでした。

シカ食害について

 シカの植生への食害は、北海道、日光、丹沢、南アルプス、大台ケ原等で問題になっており、登山者、自然愛好者、行政担当者は承知していますが、一般市民にはまだまだ認知されていないと考えられます。シカ食害の現状を知らない人々に積極的にアピールして行くためにも、各地でのイベント、集会に出展、展示して訴えていく必要があると思います。シカが増えた原因を考え、皆が何をすれば良いか考えていくことが必要だと思います。

シカ対策としてオオカミを放すという考え方がありました。オオカミがシカを捕食し、オオカミが増えてシカが急速に減少して行くと言うものです。

アメリカで実施して成功したとのことですが、まだ実施してからそれほど年月が経っていないので、今後どのようになるかはわかりません。

日本の場合、オオカミは絶滅したため、外来種のオオカミを導入するとのことですが、いくつかの問題が考えられます。

天敵のいない外来種を導入すること。沖縄でハブ退治に外来種のマングースを導入しましたが、現在問題になっています。オオカミの餌となるシカが減少すると、オオカミは餌が不足するためシカ以外の動物を捕食し、それらが減少する可能性があります。

そもそも、アメリカと生態系の構成、生物多様性、環境の異なった日本にアメリカの方法を導入して、同じ結果が出るとはだれも断定できません。

生態系のバランスを崩すとともに戻すのは容易ではありません。バランスが崩れたまま放置すると崩れたままで新しい生態系が出来上がる可能性があります。(ただし多様性は少なくなると考えられます。)もとのバランスを保つとしたら、継続的に施策をしていかなければならないでしょう。生態系のバランスを崩して来た人類の使命だと思います。
 

平成28年度 高山植物観察山行

 今年度の観察山行は日光白根山を計画しました。日光白根山は栃木県日光市と群馬県片品村の境界に位置する標高2578m で日本百名山の一つです。ロープウェイを使用して標高2000m 付近まで行き周遊する(歩行約5時間)コースです。この山に多く見られる花々はシラネアオイ、ハクサンチドリ、イワヒゲ、イワカガミ、コケモモなどの高山植物も数多く観察できると思います。多数の会員皆様のご参加をお待ちしております。
 
日時 2016年(平成28年)7月24日(日)~7月25日(月)
集合場所 ペンション コスモス前
集合時間 甲府駅からの参加者は 午前5 時45 分 甲府駅南口集合
沼田駅からの参加者は 午前9 時00 分 沼田駅集合
現地ペンションコスモスからの参加者は、午前10 時30 分集合
観察場所 日光白根山 丸沼高原付近
参加費 現地ペンションコスモス集合者  13,000 円
尚、甲府駅から(バスを用意します)利用参加者 25,000 円
沼田駅から(バスを用意します)利用参加者 18,000 円
(宿泊費、翌日の昼食代、バス代、保険料、写真代、ロープウェイ代その他)
日程 24 日 丸沼高原散策
25 日 山麓駅~ロープウェイ~山頂駅~ 0:40 七色平(避難小屋)~ 1:40日
光白根山~ 0:45 弥陀ヶ池~七色平北~ 0:30山頂駅 普通歩行時間
集合場所にて解散 15:00 頃(観察含め約5 ~ 6時間)
尚、天候などの状況によりコースの変更もあります
募集定員 20 人
申込締切 平成28 年6 月10日(金)期日前でも定員になりましたら締めきります。
参加の可否については、6 月25 日(木)までに連絡します。
申込方法
E-mail、FAX、官製ハガキに下記事項を記載して、申込期限迄にお申込みください。

(1)住所、氏名、年齢、電話番号(携帯電話番号)、会員番号、集合場所名
(2)登山経験、健康状態、その他特記事項

  〒400-0027 甲府市富士見1 丁目3-28 NPO 法人 日本高山植物保護協会
TEL & FAX 055-251-6180  E-mail:info@(アットマーク)jafpa.gr.jp
持ち物・服装 一般的な服装で、雨具、防寒具、非常食、懐中電灯等持参のこと
7 月24 日の昼食は各自持参してください。

山や丘に春先咲く花 山梨県甲府市 井川 隆

セツブンソウ
ギンラン(ラン科)
高さ10 ~ 30cm 花期5 ~ 6 月
花はあまり開かない
ミスミソウ
キンラン(ラン科)
高さ30 ~ 70cm 花期4 ~ 6 月
花は直径1.5cm ほどで唇弁に赤いすじあり
ザゼンソウ
シュンラン(ラン科)
高さ10 ~ 25cm 花期3 ~ 4 月
右にみえるのは果実で長楕円形
フクジュソウ
ヒメイチゲ(キンポウゲ科)
高さ5 ~ 15cm 花期5 ~ 6 月
小葉は楕円形、花弁状のガク片は5 個
コシノコバイモ
キクザキイチゲ(キンポウゲ科)
高さ10 ~ 30cm 花期3 ~ 5 月
小葉は深く切れこむ、花弁のように見えるのは
ガク片
カイコバイモ
アズマイチゲ(キンポウゲ科)
高さ15 ~ 20cm 花期3 ~ 5 月
小葉はあまり深く切れこまない、花弁状の
ガク片で白色

高山植物一口メモ エゾツガザクラ(つつじ科)

セツブンソウ(きんぽうげ科))

ツガザクラは、本州中部以西・四国の特産、草丈7 ~ 20cm になる常緑の小低木で、花は枝先に2 ~ 5個、淡紅色で鐘形、花冠は6 ~ 7mm で、下向きに咲く。
名前の由来は、葉の形がまつ科のツガに、花色が桜の花に似ているところからつけられた。 コツガザクラは、本州中部の特産で、花はつぼ形、8 ~ 10mm と、ツガザクラの中で、最も大きな花をつけるが、葉は線形で、最も小型なので、名付けられた。 
アオノツガザクラは、本州中部以北・北海道に分布。花は黄緑色のつぼ形。
エゾツガザクラは、本州北部・北海道に分布、花は紅紫色、大雪山の雪田では、雪解けを追いかけるように大群落をつくる。エゾツガザクラは、最も変異が多く、シロバナノエゾツガザクラ、コエゾザクラ、ユウバリツガザクラがある。いずれも花期は7 ~ 8 月。
今年の5月に、花の絨毯を尋ねて、北海道を訪れることにしているのだが、機会があれば、トムラウシをバックに広がる初夏のエゾコザクラに会いたいと思う。


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