JAFPA NEWS(会報)

JAFPA NEWS Vol.84

平成28年度高山植物フォトコンテスト最優秀賞
平成28年度高山植物フォトコンテスト
最優秀賞「清涼に咲くミツガシワ」高橋英子(東京都大田区)

JAFPA 活性化のために

理事 中村 光吉(三つ峠山荘)

会員の皆様のお陰で、三つ峠に関しては、比較的早くから、シカサクの設置や、テンニンソウ、ササの除去が、ボランティアの方がたの協力で出来て、盗掘で最小100少々にまでなってしまったアツモリソウも、この十年で、倍位まで増やしました。

特別な栄養をあげたりしたわけではなく、ただ、見守り、必要に応じて周りのササを取ったり、日が当たるようにカラマツの枝払いをしてあげたりしただけです。たまたま三つ峠にはアツモリソウ以外の、豊かな植生も残り、現在、アツモリソウを中心に、そこでレクチャーしますと、本来の、自然界の様子が分かり、なぜ、高山植物が大切か?また、この数十年の人間界のありようが如何に自然界にダメージを与えているか?等々、又、その自然界が無いと我々も存在が不可能であると言う事を理解してもらっています。

一度ボランティアに参加された方は、又参加してもらえる方が多く、作業も確りとしてくれます。このような、ただ自然を楽しむという受け身ではなくて、今、積極的に保護しないと将来、次の世代に今の自然界を見せる事が出来なくなります。

会員の方々は良く理解されていますが、山に来る一般の方々に、それらの事を知って貰う事こそが、この会の目的であり大きな社会的貢献です。木無山は以前、アヤメ、ギボウシ、マツムシソウなどが夏はいっぱいに咲き背後に富士山と、楽園の景色、今はササと稲科植物です、乾燥化が進み、所々が鹿の休む場所になってしまっています。

この場所も、遠足で子供達がすぐ脇を通りますが、こうなった場所では何も感じ無いでしょう。豊かで多様な植生は、畏怖や尊敬の念を起こします。私も、西表島や新潟の山で、そのような気持ちに良くなります。今、子供達は引きこもったり暴力的になったりという状況も見られますが、生きる事が大変です。色々原因はあるでしょうが、自然から離された事も理由の一つです。

私達は、子供やお孫さんそうした次の世代に、自分が楽しむ以上に伝える事、行政等では出来無い事を、私たちの知識や経験で、日本の自然界のすばらしさを支え、鹿との共存もしなければなりませんね。

 

「日本百名山と父深田久弥」の講演を聞いて

理事  塩沢 久仙

平成29年6月3日、東京平河町都市センターホテルにおいて、日本高山植物保護協会平成29年度通常総会が開催され、その折に『日本百名山』の著者深田久弥氏の長男深 田森太郎氏の「日本百名山と父深田久弥」と題した記念講演を興味深く聴くことができました。

平成23年、私の所属する南アルプス芦安山岳館では「深田久弥没後40年展 南アルプスの日本百名山」の企画展を開催することとなり深田森太郎氏には大変お世話になって、現在も親しくお付き合いをいただいていることから今回の記念講演が実現いたしました。

氏の父深田久弥氏は高山植物とはあまり係わっていないようだとおっしゃいましたが、名著『山とお花畑』の著者で高校時代から一緒に山に登っていた田辺和雄氏を師匠に迎え花達と係わっていて採集許可を得て300種にも及ぶ腊葉を完成させ、さらに花たちの生態や名前の由来、歴史にまでおよび、高山植物に関しては研究者や学者達の知識を凌駕していたに違いありません。そして子供たちに対して草花の大切さを教えるために植物観察だけの目的で山に連れて行ったと森太郎氏は語ります。

父親としての久弥氏は、世間に良くある一般的な父親ではあったけれどスキーや自然界にはお母さんを含めてよく出かけたようでした。そして子供たちに植物の名前や生態、それに腊葉の作り方をおしえて親子水入らずのときを過ごし、これに家族登山隊と名付け、自らは登山隊長として楽しい山行を持っていたようでした。

森太郎氏は、名著『日本百名山』よりも一ヶ月早く雪華社から出版された『ヒマラヤの高峰』やシルクロードの様子や各種の研究は、実際にヒマラヤやシルクロードを訪れてはいないのに数多くの資料や書籍を基に正確無比に書き上げたことに驚嘆されたようですし、このために、購入した数多くの書籍や資料代を賄うのにお母さんが大変苦労しているのを見て心配だったそうです。

又、お母さんは、これらの数多くの書籍や資料を入れるための建物も、久弥氏がいないときに建てられたことを話されていました。ヒマラヤ&シルクロード研究、それに家族登山やスキーをしながら百名山にも登り続けましたが、55歳を過ぎてからの百名山はほとんどお母さんと一緒に登っていたようです。

誠意に満ちて訥々と語る森太郎氏の話は、ご両親に向ける感謝と愛に満ちていて一瞬の内に時間が過ぎてしまい、もっともっとたくさんのお話を伺いたいと思いました。

深田様本当にありがとうございました。お蔭様でたくさんの人々と共に意義ある、貴重なひと時を過ごすことができ、そして名著『日本百名山』がより、身近に感ずるよ うになりました。

 

ニホンジカ食害啓発絵本「どうでもいい」

南アルプスユネスコエコパーク山梨県連絡協議会が発行

   このような絵本を発行されたことについて、南アルプス市観光商工課ユネスコエコパーク推進担当の
広瀬和弘氏から次のようなお話を伺いました。

ニホンジカの食害が全国で深刻になっており、特に南アルプスでは、里地から高山帯までに被害が及んでいます。

しかしながら、シカの食害については被害を直接受けている人たちや、自然保護活動等に関心のある人たち以外はほとんど関心が無く、登山者の人達もなかなかそれに気づくことはありません。山や森、野生動物と共存している地域であるにも関わらず生活に直接影響がないから関心もない。そんな地域の実情が浮き彫りになっています。

国内で発行されている野生鳥獣の被害対策の啓発パンフレットはやや専門的で、一般には周知されないのが実情であることが、今回の絵本を製作するきっかけとなりました。

イラストと平易な文章、シンプルな構成を心がけ、特に子どもにも読んでもらえるようにするためには絵本がいいということになりました。現在大変好評を頂き、2,000部発行しましたが既にほとんど在庫が無い状況(平成29年7月5日現在)で。増刷については検討をしています。

なお、絵本の配布先は、南アルプスユネスコエコパーク山梨県連絡協議会の構成市町である韮崎市、南アルプス市、北杜市、早川町の公共施設や図書館等で無料配布をおこなっています。

 

平成29年度高山植物観察山行は中止

秋田駒ケ岳の火山活動のため

7月9日(日)~11日(火)に予定しておりました秋田駒ケ岳の高山植物観察山行は、5月1日から5月25日の間に参加申し込みを受付け、皆さん楽しみにしておりましたが、5月末に「秋田駒ケ岳で地震活動があったようだ。」とのお話を聞き、「秋田駒ケ岳の火山活動解説資料」(平成29年5月28日13時30分、仙台管区気象台、地域火山監視・警報センター)を入手して調べたところ、この時点での地震活動は収まっていましたが、「地熱活動が続いていますので今後の火山活動に注意して下さい。」との記述もあり、7月9日から11日の観察山行においても、危険性が有ることは間違いありませんし、木曽の御嶽山の例もありますことから中止することとし、6月2日に参加申込者の皆さんに通知いたしました。

 

平成29年度高山植物フォトコンテスト作品募集

作品の大きさ 六つ切、又は四つ切
募集期間 平成30年1月10日(水)~3月31日(月)
作品の送付先 〒400‒0027 甲府市富士見1丁目3‒28
特定非営利活動法人 日本高山植物保護協会事務局
審査員 白籏史朗氏(当会会長)
表彰式 平成30年度通常総会
入賞者には、盾と賞金を授与するとともに、情報紙とホームページで紹介します。
その他 応募作品の裏面に、花の名前、撮影場所と撮影年月日、氏名、連絡先、会員番号を記載してください。入選作品は返却できませんが、入選作品以外はご希望により返却します。返却を希望される場合は、作品をお送りいただく際、返信用封筒を同封してお送りください。
問合せ先 〒400‒0027 山梨県甲府市富士見1丁目3‒28
特定非営利活動法人 日本高山植物保護協会
TEL&FAX 055‒251‒6180
E-mail:info@(アットマーク)jafpa.gr.jp
 

平成28年度高山植物フォトコンテスト入賞作品

ササユリ
優秀賞「ササユリ」
大内京子(千葉県我孫子市)
芽生え
優秀賞「芽生え」
鈴島章嘉(栃木県鹿沼市)
ヨシノザクラ
入選「ヨシノザクラ」
小林和子(東京都昭島市)
クロバナヒキオコシ
入選「クロバナヒキオコシ」
大平昭善(東京都府中市)
タカネナデシコ
入選「タカネナデシコ」
深井幾蔵(埼玉県蕨市)
ミヤマミミナグサ
入選「ミヤマミミナグサ」
鈴木文夫(静岡県富士市)
 

高山植物一口メモ ホソバナコバイモ(ゆり科)

ホソバナコバイモ(ゆり科)

フリティラリアは、ゆり科バイモ属の学名で、花弁に現れる網目模様が、チェス盤(フラチラリー)に似ていることによる。この仲間は、早春に開花し、かげろうのように現れ消えてゆくスプリングエフェメラル、その儚さゆえに、愛しさがます花達は、本州中部及び四国の山中、谷すじに生える多年生草本で、茎の高さ12~20cm、上部に2枚の葉が対生し、更に花下に3枚輪生する。春3~4月頃、茎の先に一個の花をつける。
   ホソバナコバイモは、細長い筒系で、トサは、それよりも細い筒形。トクシマは、やや角ばった細い鐘形。イズモは、浅盃形、カイも、浅盃形で、ややなで肩、アワは、広鐘形。ミノは、広鐘形で肩の張りが目立つ。コシノコバイモは、広鐘形の花に、花弁の縁の突起が目立つ。
   昔、お茶席の床を飾っていた、コシノコバイモの一輪の花が、忘れ難く、山野を尋ねたのが、 コバイモ行脚の始りでした。四国・中国地方と順調に行くうちに、コシノコバイモとカイコバイモが残ってしまいましたが、今年、早春の新潟六万騎山で、素敵な出会いがありました。あとは、 来春身延山に、カイコバイモに会えるのが楽しみです。(写真と文 大内京子)


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