JAFPA NEWS(会報)

JAFPA NEWS Vol.85

尾瀬の日の出
尾瀬の日の出(写真提供:富田義之)

JAFPA 活性化のために
…広く懸賞論文を募ったらどうでしょうか?…

静岡支部 望月 照夫

組織活性化テーマは、長く続く団体組織にとっては共通の悩みでしょう。どんな組織でも、発足直後は皆さん夢中になって目的に向かい突き進みますが、熱意とは裏腹に次第に一人抜け二人抜けとなってしまう。特にJAFPAのフィールドは高山のため、加齢とともに現地に赴くのが難しくなりなおさらです。

このJAFPAも発足から30年近く経過します。この間、高山植物を取り巻く環境は大きく変化しました。当初の敵は盗掘や踏み荒らしでした。盗掘は、悪意ある者の中でも販売目的の組織的大規模盗掘も目立ちましたが、「可愛い、家の庭に」といった単純な動機による一般ハイカーの持ち去りも多かった。むしろその方が人数が多く、抜き去られる量は多かったと言われます。

踏み荒らしは、登山道ショートカットでお花畑に踏み入る、写真撮影に踏み入るなど様々な理由からでしたが、踏み後は雨水の浸食により広がり、お花畑を大きく傷つけてしまった。お花畑に立ち入りする人は、高山植物は氷河時代から生き残る貴重植物との認識が欠如していたからでしょう。

しかし、JAFPAや行政による啓発事業が効を奏し、単純な踏み荒らしは相当減少し、また設置した保護ロープなどは大きな成果をあげました。

一方、南アルプスや中央アルプス以南の山地では、ここ二十年ほどで高山植物の敵は大きく様変わりしました。日本鹿による食害が加わったのです。もともと鹿は、積雪には弱いものです。腹が雪面に接して動けないからです。しかし、近年、3000メートルの高山に進出しています。山の雪が減ったからです。雪の減ったのは地球温暖化です。まだ北アルプス、東北地方の山地、北海道の山では鹿食害は目立ちませんが、このまま温暖化が進めば将来的には南アルプス以南の山と同様なことが発生します。(以下 次号へ)

 

会員からの便り

キバナアツモリソウ・戸隠山

長野県佐久市 中山 厚志

亜高山帯の草原又は落葉樹林帯に生える多年草、茎の高さ10~30センチ。茎、葉、子房(しぼう)に腺毛(せんもう)がある。葉は2枚、広楕円形で、長さ10~15センチ、幅4~10センチ。茎頂に径3センチほどの淡黄緑色の花を横向きに1個つける。袋状の唇弁は広く開口し、側花弁と共に茶褐色の斑点がある。花期は6~7月。

最初に発見された戸隠山(とがくしやま/1,904メートル)が基準標本となっている。環境省のレッドデータとともに北海道、福島県、新潟県、福井県、山梨県、長野県、静岡県の6道県でも絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。群馬県と石川県ではすでに絶滅種となっている。

戸隠は野鳥の宝庫で有名ですが、野草の宝庫でもあります。5月の連休頃の戸隠には大勢の観光客が訪れますが、その頃、湿地にはミズバショウ、リュウキンカが咲き誇り、少し乾いた場所ではカタクリやキクザキイチゲなどが見られます。

戸隠山は1日で縦走できる山ですが、蟻の戸渡りなど危険な箇所が連続する岩山で滑落に十分注意しないといけません。この戸隠山では少し気温が高くなり、夏の日差しが差し込む頃、このキバナアツモリソウが咲きます。ちょうど満開の頃に写真を撮影することができました。全国的にも貴重なものですので、いつまでも咲いていてほしいものです。

ゴミの持ち帰りキャンペーンを実施

平成29年10月1日山梨市の万力公園駐車場に7時に待ち合わせ、4人で甲州市の北部にある大菩薩へ向かった。

約1時間ほどで登山口にある長兵衛小屋前に到着。駐車場には既に30~40台程の車が止められており、その多くは県外車だった。駐車場の警備員に主旨を説明すると、キャンペーン旗の設置場所を教えてくれた。

早速、ゴミの持ち帰りをお願いしながらティッシュペーパーの配布を開始。塩山方面や大和方面から次々と車が登ってきた。小さな子供連れの家族も何組か来て、小さな手でティッシュペーパーを受け取ってくれた。8時30分には、甲斐大和駅から登山者を乗せたバスが到着。年配者から若い女性グループ等々40人程が降りてきた。警備員の話では、9時と10時にもバスが到着するとの事なので、配布しながら9時着のバスを待つことにした。

9時着のバスからも多くの登山者が降りてきて、ティッシュペーパーを受け取ってもらい、この場での配布を終了し、登りながら又峠での配布とした。途中、福ちゃん荘前で休憩していた登山者にも配布。峠(1,897メートル)には、丁度昼食時となっていたこともあり沢山の人がいた。ここでの配布で約400個のティッシュペーパーを手渡すことが出来た。

雷岩を経由して下山したが、ゴミを目にすることもなく登山者のマナーに感謝しつつキャンペーンを終了した。

曇ってはいたものの時折日も差し、風はひんやりと心地よい一日だった。(小田切澄子)

 

当会理事の塩沢久仙氏死去

当会理事で当会本部事務局の中心的な役割を果たし、南アルプス芦安山岳館の館長でもありました塩沢久仙氏が、9月24日ご逝去されました。

塩沢久仙氏は、9月24日南アルプスの栗沢山トレッキングツアーにガイドとして参加、山頂付近で休憩し、休憩を終えて立ち上がろうとしたところ、うずくまって意識を失い、山梨県の防災ヘリに救助を求め甲府市内の病院へ搬送されましたが約4時間半後に死亡が確認されました。

塩沢久仙氏は、昭和63年2月9日に開催された当会の第1回設立準備会から参加され会の設立に努力して、平成元年6月4日の設立後は本部事務局員の中心メンバーとして会の発展に貢献し、平成20年度からは理事となり本部事務局員も兼ねて活動を続けるなど、当会の活動に大きな役割を果たして参りました。

塩沢久仙氏は、昭和17年南アルプス市に生まれ、昭和40年には夜叉神峠小屋の管理人に、昭和60年には広河原山荘の管理人となって山岳救助にもたいへん貢献され、平成15年には、3月21日に開館した南アルプス芦安山岳館の初代館長となり、その後14年以上の長い間館長を務められる等、その生涯を山岳文化の研究、保護、発展に尽力されました。

その功績が認められ、平成25年には秋の叙勲で瑞宝単光章を受賞されました。

塩沢久仙氏の、ご冥福を心からお祈り申し上げます。

 

平成29年度高山植物フォトコンテスト作品募集

作品の大きさ 六つ切、又は四つ切
募集締切 平成30年1月10日(水)~3月31日(月)
作品の送付先 〒400‒0027 甲府市富士見1丁目3‒28
特定非営利活動法人 日本高山植物保護協会事務局
審査員 白籏史朗氏(当会会長)
表彰式 平成30年度通常総会
入賞者には、盾と賞金を授与するとともに、情報紙とホームページで紹介します。
その他 応募作品の裏面に、花の名前、撮影場所と撮影年月日、氏名、連絡先、会員番号を記載してください。入選作品は返却できませんが、入選作品以外はご希望により返却します。返却を希望される場合は、作品をお送りいただく際、返信用封筒を同封してお送りください。
問合せ先 〒400‒0027 山梨県甲府市富士見1丁目3‒28
特定非営利活動法人 日本高山植物保護協会
TEL&FAX 055‒251‒6180
E-mail:info@(アットマーク)jafpa.gr.jp
 

高山植物 (山梨県甲府市 井川 隆)

ミヤマアケボノソウ
ミヤマアケボノソウ リンドウ科
草地や湿原の周辺に生える多年草
センブリの仲間
シコタンハコベ
シコタンハコベ ナデシコ科
高山帯の岩場や砂礫地に生える
花弁は2裂し10個に見える
ハクサンシャクナゲ
ハクサンシャクナゲ ツツジ科
亜高山帯~高山帯の針葉樹林内と
ハイマツの中に生える
コフタバラン
コフタバラン ラン科
亜高山帯の針葉樹林の中に生える
高さ10センチ~20センチの多年草
ウサギギク
ウサギギク キク科
葉がうさぎの耳に似ているのでこの名前があります
イワカガミ
イワカガミ イワウメ科
亜高山帯の林内、林縁に生える
花は3~10個つける
 

高山植物一口メモ ゴヨウツツジ(別名シロヤシオ)つつじ科

ゴヨウツツジ

本州、四国の深山に生える落葉低木で高さ6メートルになり、よく分枝する。葉は枝の先に、五個輪生し、ふちは全縁で、赤味を帯びる。初夏の頃、枝先に白色で柄のある花を1~2個開く。花冠は、広い漏斗形で3センチから4センチ先は5裂し、上面に緑色の斑点がある。雄しべは10本、雌しべは1本で子房は無毛か白毛がまばらに生える。他にアカヤシオとアケボノツツジが五葉である。
   皇太子様のおしるしは、“ヨグソミネバリ”美しい葉脈を持つ木本、皇太子妃のおしるしは、“ハマナシ”美しく香り高い花だ。そして愛子様のおしるし、シロヤシオ愛らしく、可憐な花は、いかにも、愛子様だと思う。(文写真 大内京子)


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